寝ずの番

監督のDNAってのは意外に遺伝するものだと思う。だからあの大監督の血を継ぐ津川雅彦が、ヘタな映画を作るわけが無い。しかも原作が中島らもの定評のある戯作。これまた楽しみ。

上方落語の一門で師匠、一番弟子、おかみさんが次々と亡くなり、それぞれのお通夜の席で“寝ずの番”をする弟子や故人ゆかりの温かい仲間たちが、悲喜こもごもの思い出話に花を咲かせる人情物語だ。ちょっとエッチで危ない爆笑エピソードの連続のなかに垣間見える仲間たちの強い愛情、絆が、爽やかな涙、何とも言えない小粋で心温まる感動を生み出している。